レット症候群(Rett症候群)

ほとんどが女の子に発症するまれな進行性の脳の発達障害です。遺伝子の異常によって起こり、成長とともに様々な精神的・身体的な症状が現れる病気です。


■ 特徴的な経過

レット症候群の子どもは、生まれてから最初の6か月〜1年ほどは、見た目には正常に発達します。ところが、その後突然、今までできていたことができなくなっていきます。これを「発達の退行(たいこう)」と呼びます。

たとえば:

- 笑ったり、人と目を合わせたりしていた子が、それをしなくなる

- 話せていた言葉を忘れてしまう

- 自分でできていた手の動きを失う

このような変化が1歳前後から2歳ごろにかけて急に起きます。


■ 主な症状

- 手もみ動作:手を前でこするような独特の動き(常同行動)が見られます。これは意図的な動きではなく、無意識に繰り返されます。

- 言葉の喪失:話すことが難しくなったり、言葉が出なくなったりします。

- 運動機能の低下:歩けなくなったり、座ることすら難しくなることもあります。

- 知的障害:重度の知的な遅れが見られます。

- てんかん:発作を繰り返す子も多くいます。

- 呼吸の異常:息を止めたり、過呼吸になったりすることがあります。


■ 原因

レット症候群は、MECP2(メックピー・ツー)という遺伝子の異常によって起こります。この遺伝子はX染色体にあります。女の子にはX染色体が2本あるため、片方の異常でも生きることができますが、男の子はX染色体が1本しかないため、この異常があると胎児のうちに亡くなってしまうことが多いとされています。


■ 自閉症との違い

以前は「広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)」に分類されていましたが、レット症候群は自閉症とは異なる独立した病気と現在では考えられています。原因が明確(MECP2遺伝子の異常)であること、発達の退行が特徴的であることから、別のカテゴリーに移されました。



レット症候群は現在のところ、完治させる治療法はありませんが、症状に応じたリハビリや薬物治療、支援によって生活の質を高めることが可能です。早期に診断し、専門的な療育を受けることがとても重要です

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