ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)

SST(Social Skills Training)は、日本語で「社会生活技能訓練」と訳され、認知行動療法に基づいたリハビリテーション技法の一つです。もともとは精神疾患の治療に用いられていましたが、現在では児童発達支援など幅広い分野で活用されています。


SSTの目的は、不適切な行動を修正し、社会で円滑に生活するためのスキルを身につけることです。具体的には、次のような能力を養います。

- 適切なコミュニケーション(あいさつ、お願いの仕方、断り方など)
- ストレスへの対処(イライラしたときの落ち着き方、気持ちのコントロール)
- 問題解決スキル(トラブルが起きたときの対応方法)


SSTは 「実際に体験しながら学ぶ」 ことが重要で、次の5つのステップに沿って進められます。

SSTの基本的な流れ

1. 言語的教示(教える)

- まず、どのような行動が適切なのかを言葉で説明します。
- 例:「友達に物を貸してほしいときは、無理やり取るのではなく、『貸して』と言おうね。」

2. モデリング(見本を見せる)

- 指導者やお手本となる人が、実際に適切な行動を見せます。
- 例:先生が「貸して」と優しく頼む様子を見せる。

3.リハーサル(繰り返し練習する)

- 子どもが実際にその行動をやってみます。
- 例:先生や他の子どもとペアになり、「貸して」と頼む練習をする。

4. フィードバック(褒める・修正する)

- うまくできた部分を褒め、改善が必要な部分は丁寧に指導します。
- 例:「今の言い方、とても優しくてよかったね!」
- 「もう少し大きな声で言えると、相手に伝わりやすいよ。」

5. 定着化(日常での実践)

- 学んだスキルを日常生活で活かせるようにします。
- 例:実際の遊びの中で「貸して」と言えるようになっているか確認し、できたらさらに褒める


SSTの特徴

- 楽しみながら学ぶ:ロールプレイ(ごっこ遊び)を取り入れることが多く、子どもが遊び感覚で学べるように工夫されています。
- 個々のペースに合わせる:子どもの発達段階や特性に応じて、ゆっくりと段階的に学習を進めます。
- ポジティブな学び:子どもが自信を持てるように、良い行動をたくさん褒めることを大切にします。


SSTを受けることで期待できる効果

- コミュニケーションがスムーズになる(友達と関わるのが楽しくなる)
- 集団生活でのトラブルが減る(けんかや誤解が少なくなる)
- 自分の気持ちをコントロールしやすくなる(怒りや不安の対処ができる)
- 自己肯定感が高まる(「できた!」という成功体験が増える)


SSTは、子どもが社会で自立し、円滑に生活していくための大切なスキルを身につけるためのプログラムです。児童発達支援の場だけでなく、家庭や学校でも取り入れることで、より効果的に学ぶことができます


NEW