小児期崩壊性障害

広汎性発達障害の一つとされていた障害で、2歳以降に発達の後退が突然起こるのが特徴です。現在は「自閉スペクトラム症(ASD)」に統合され、単独の診断名としては使われなくなりました。


特徴と症状

- 発達の正常な時期がある
生後すぐに発達の遅れが見られるわけではなく、少なくとも2年間は言葉や運動、社会性の発達が年齢相応に進むのが特徴です。

- 突如として発達が後退する
 通常2〜5歳の間に、知的機能・言語・社会性が急激に失われることが起こります。例えば、

 - 言葉が話せなくなる(有意味語の消失)
それまで使えていた単語や簡単な会話ができなくなり、言葉を発することが減る、または完全になくなることがあります。

 - 対人関係の異常(対人反応障害)
周囲の人との関わりが極端に減り、呼びかけても反応しない、目を合わせなくなる、抱っこを嫌がるなどの変化が見られます。

 - 強いこだわりや常同行動
突然、特定の動きや習慣に強く執着し、同じ動作を繰り返す(手を振る、体を揺らすなど)、特定の物にこだわるといった行動が増えます。

 - 社会性や適応行動の後退
これまでできていた日常生活の動作(おもちゃの遊び方、食事の仕方、トイレの使い方など)ができなくなり、生活の中での適応能力が低下します。

 - 退行の期間とその後の経過
急激な発達の後退は6か月ほどで止まりますが、その後は自閉症に似た症状が継続します。つまり、言葉が戻らず、対人関係の難しさやこだわり行動が続くことが多く、発達支援が必要になります。


現在の診断基準と違い

かつては「小児期崩壊性障害」として診断されていましたが、近年の研究で他の自閉スペクトラム症(ASD)との違いが明確でないとされ、現在はASDに統合されました。そのため、現在の診断基準(DSM-5)では「自閉スペクトラム症」の一つの特徴として扱われています。


まとめ

- 2歳までは正常な発達が見られるが、その後突然、言葉・知的機能・社会性が失われる。

- 言葉の消失、対人関係の変化、強いこだわり行動が主な特徴。

- 発達の後退は約6か月で止まり、その後は自閉症に似た症状が続く。

- 現在は「自閉スペクトラム症(ASD)」に統合され、単独の診断名ではなくなった。


発達の後退が見られた場合は、早めに専門医の診察を受け、適切な支援を受けることが重要です


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